フランス出身でLVMHの会長兼CEOやクリスチャン・ディオールの会長を務めているベルナール・アルノー。2023年、フォーブスが公開した世界長者番付で総資産1位を獲得している大富豪です。
今回この記事では、ベルナール・アルノーの純資産や年収について解説していきます。
ベルナール・アルノーの純資産はいくら?
フォーブスが毎年公開している世界長者番付でによると、2025年のベルナール・アルノーとその家族は1780億ドルの資産を得ておりランキング5位に位置しています。
2025年10月現在、ベルナール・アルノーの純資産額は1685億ドルと推測されており、日本円に換算すると約24兆4000億円です。
2024年から純資産が減少
ベルナール・アルノーの純資産は、2024年から減少していると報じられています。2023年には2070億ドルだった純資産が、2024年には200億ドル減少の1870億ドルになり、2025年は185億ドル減少の1685億ドルです。
ベルナール・アルノーの純資産が減少した原因として「高級品の需要低迷が続き2024年の決算内容が期待外れだったことから株価が急落した」と言われています。
ベルナール・アルノーの年収は?
ベルナール・アルノーの年収について明確な金額が公表されていないため不明です。世界長者番付によるとベルナール・アルノーの総資産額は2023年(2110億ドル)から2024年(2330億ドル)にかけて220億ドル増えています。
単純計算にはなりますが、ベルナール・アルノーの年収は220億ドルに近い額なのではないでしょうか。220億ドルは、日本円に換算すると約3兆2523億円です。
収入の内訳
ベルナール・アルノーが得ている収入の内訳について紹介します。
役員報酬
ベルナール・アルノーは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)及びクリスチャン・ディオールの取締役兼CEOを務めています。それぞれの企業から役員報酬を得ていると言われています。
株式による収入
ベルナール・アルノーは、LVMHやクリスチャン・ディオールの大株主でもあります。巨額の株式を保有しており、配当収入や株式の売買による収入を得ていると言われています。
ベルナール・アルノーの経歴を紹介
ベルナール・アルノーの経歴について紹介します。
生い立ち
ベルナール・アルノーは、1949年3月5日にフランス北部のルーペで生まれます。父親は不動産業を営んでおり、父親から事業を受け継いでおり、高級ブランド業界とは無縁な生活を送っていた。
ブランドビジネスに目覚める
1971年、フランソワ・ミッテラン大統領の社会主義政策を嫌い渡米する。現地のタクシー運転手と世間話をした際に「フランスのことは知らないがディオールだけは知っている」と語ったことをきっかけにブランドビジネスに目覚めたそうです。
マルセル・ブサック・グループを買収
1984年、アメリカから帰国したベルナール・アルノーは、自身の不動産業を担保にした資金でフランスの繊維企業マルセル・ブサック・グループを買収。マルセル・ブサック・グループは、クリスチャン・ディオールや老舗百貨店ル・ボン・マルシェの他に多数の企業を擁していたが、買収を機に上記2社以外ほとんどのブランドを売却し、高級ファッションビジネスに注力します。
マルセル・ブサック・グループは黒字化しましたが、人員整理の方法が特殊でベルナール・アルノーは「ターミネーター」という異名で呼ばれるようになりました。
LVMHへ参画
1987年、ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーが合併しLVMHが誕生します。当時、LVMH内部では鞄製造ビジネスで成功したルイ・ヴィトン社長のアンリ・ラカミエと、酒類製造ビジネスで成功したモエ・ヘネシー社長のアラン・シュヴァリエの対立が発生し株価は低迷。外部からの買収が懸念されていました。
シュヴァリエは、酒類製造大手企業のギネスを少数株主に引き入れ、買収防衛を実施。酒類ビジネス拡大を危惧したラカミエはベルナール・アルノーに目を付け、資本参入に勧誘します。1988年、アルノーはLVMHの株を少数獲得し、LVMHに参画します。
LVMHの経営権を奪う
1988年7月、ベルナール・アルノーはギネスとの合弁会社を設立。会社を通じてLVMHの株式買い占めに動き、経営権を奪おうとします。これにより内部対立は3つ巴となり、激化していきます。最終的にアルノーが勝利し、1989年1月にシュヴァリエが、1990年4月にラカミエがLVMHから退陣することとなりました。
その後は経営難に陥っている老舗ブランドを買収しLVMHは大手グループへと成長していきます。
ベルナール・アルノーが所有する資産について調査
ベルナール・アルノーが所有している資産について紹介します。
豪邸
ベルナール・アルノーの自宅はフランスのパリ郊外にあり、非常に広大な豪邸です。お城の様な外見をしており、外にはプールがあり、周りはブドウ畑で囲まれています。豪邸の価格については明らかになっていませんが、日本円で数十億円は固いと思います。
レオナルド・ダ・ヴィンチの邸宅
2022年、ベルナール・アルノーはミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチの邸宅「カーザ・デリ・アテラーニ」を購入したと報じられています。購入価格や目的などは明らかになっていません。
この邸宅は、コンティ家とポタルッピ家の子孫が所有していた物件で、ファッションショーや発表会など多数のイベントが開催されてきた場所です。中庭には、約8100平方メートルのブドウ畑があり、大都市の中心に現存する唯一のワイン生産地とも言われています。
プライベートジェット機は売却
ベルナール・アルノーは、プライベートジェット機を所有していましたが、2022年に売却しています。売却した理由は「事業の機密性や安全を確保するため」としており、当時LVMHの社用機を追跡するXアカウントが作成されたことがきっかけです。現在は移動に高速鉄道などを使用しており、飛行機が必要な場合はプライベートジェット機をレンタルしています。
まとめ
今回は、LVMHのCEOを務める大富豪ベルナール・アルノーの純資産や年収、経歴について解説しました。ここ数年、ブランド品への注目が減っていることから純資産が減っているベルナール・アルノー。フォーブスが公開している長者番付では、2024年まで1位を獲得していましたが、2025年は5位まで下がっています。
ベルナール・アルノーは、現在76歳という年齢ですが80歳までLVMHのCEOを務める予定です。今後、資産を増やすためにどのような活躍を見せていくのか注目が集まっています。